心理学から地球の未来を考える


今回は“心理学”から“自然”について考えてみたいと思います。


心理学と自然、どう関係があるの?と思われた方もいるでしょうが、そこには私たちの原点、遥か昔から自然と共存してきた人間としての本能が関係しているのではないか?と私は思います。


環境心理学」という学問があるのですが、その意味はとても広く、

人間(対人)環境による心の変化、住居(建物)やその土地が心に与える影響など、様々です。


今回はシンプルに“自然環境が心に与える影響”についてを取り上げたいと思います。

自然が人の精神に与える影響に関しては、ミシガン大学のMarc Berman氏らが2008年に行った研究があります。この研究では、大学の学生らにGPS受信機を持たせて歩き回らせ、その後心理テストを実施するというものです。学生らは植物園を散歩する者もいれば、賑やかな繁華街を歩き回る学生もいましたが、心理テストの結果では自然の中を歩いた学生の方が、その他の学生に比べ機嫌がよく、注意力テストや作業記憶テストでの得点が大幅に高かったという結果になっています。

さらに、実際に自然環境に身を置かず、自然の写真を眺めるだけでも効果があったというのです。

これは人間の本来持つ能力や集中力が“自然”の力を通して上手く引き出されたと言っても過言ではありません。


今や技術が進歩し大規模な都市開発も行われ、人々の暮らしも大きく変化しましたが、人間は都市の中に自然を置こうとする努力もこれまでしてきています。Frederick Law Olmsted氏が作ったニューヨークのセントラルパークなんかががその例です。市街開発が進むにつれ、膨張したニューヨークに屋外でのんびり過ごせる場所が多くのニューヨーカーにも望まれていたのです。


そして、花や草木は以前から癒しの効果があることは生け花や造園などの歴史が深い日本でも周知されていますよね。また華道は、自然を尊ぶ心を大切にしており、四季折々の植物の美しさを見出し、花を生ける事で精神性を養うといいます。


こうして考えてみるとやはり人間は自然から酸素や水、食物などを与えられている他にも、心理的にも大きなパワーを受けています。

自然を愛し、その存在を身近に置こうとする一方で、世界的には人為的な森林破壊による温暖化なども進んでいるこの状況には矛盾を覚えます。


人間は中々視界に入っていない存在を認識し生きていくことは難しい生き物です。

目の前にある自然を愛でるだけではなく、もっと大きなスケールで考え、実は自然は私たちのすぐそばで生きている、という自覚が必要かもしれません。


緑の持つヒーリング効果や潜在能力を高める効果は、私たちも自然の生物であることを思い出させてくれます。そんな自然から人間は恩恵を受けるだけではなく、“守る”ことによって支えあっていければ素敵ですよね!

Higuma


「地球にマングローブを‼」プロジェクトもご覧ください。

新たな緑を増やすことで、地球温暖化にも貢献できます!

0コメント

  • 1000 / 1000