トランプ政権から地球の未来を考える


現在のアメリカ大統領であるトランプ氏。

彼のこれまでの発言から地球温暖化についてを考えていきたいと思います。


トランプ氏が大統領選挙中、環境問題に関してこんなことを言っていました。

「地球温暖化はでっちあげた作り話だ」

この発言には、温暖化への対策・研究予算を削減したいというトランプ氏の意図が見え隠れしています。


そしてトランプ氏が大統領になり、パリ協定からの離脱が決まっています。

アメリカは現在、CO2(二酸化炭素)排出量が世界で2位という、主要排出国にも関わらずです。

ソース:EDMC/エネルギー・経済統計要覧2018年版


またオバマ政権時に打ち出された「クリーンパワー計画」の廃止についても声明が出されています。これは、パリ協定で掲げた温室効果ガス排出量の削減目標を達成するため石炭火力発電所のCO2排出量に上限を設ける、というものでした。


またNASAで今まで行われてきた気候変動に関する研究や測定も停止をし予算を削る方向であるとされています。


そういった気候変動や地球温暖化に対して懐疑的な発言や態度のトランプ氏ですが、

思わぬ形でCO2排出の対策で大きな役割を果たしそうだ、という事も起きています。


これにはトランプ氏が称揚していた「シェール革命」がキーワードになっています。

「シェール革命」とは2006年以降、それまでアメリカでは掘削が困難とされていたシェールガス(天然ガスの一種)の開発が進められ、生産が本格化するにつれて国内での天然ガスの価格が低下していったことを指します。


これにより、アメリカでの石炭産業が押しのけられているのです。

石炭はCO2排出量が最も多い化石燃料であり、天然ガスが勢いを増すことは世界の炭素排出量が減ることに繋がります。


世界的にもその傾向はあり、炭素排出量の多い中国(CO2排出量世界1位)やインド(世界2位)も大気汚染の問題を受け、これまで利用してきた石炭から取って代わり、ガスや再生可能エネルギーの利用が増加しています。


一見してみると地球温暖化問題は上向きなようにもみえますが、環境問題とは切っても切り離せない「持続可能性」という言葉から考えると、果たしてそうなのでしょうか?


なぜなら、資源には限りがあります。

一部の説では、アメリカのシェールガスも産出量の急激な減少が報告されており、近年では、枯渇の可能性があるのではないか?とも言われています。


そして石炭も天然ガスも“化石燃料”であり、差はありますが使用することによって二酸化炭素を放出します。

自然エネルギー等も最近は使用されていますが、現在も世界のエネルギー消費の全体の8割は化石燃料で、私たちの生活はまだまだこれらに頼りっぱなしです。

より長い目での「持続可能性」を考えていったとき、この有限資源の消費からの脱却がやはり必要であり、地球温暖化を食い止めてくれる自然資源の保全はとても重要なことだと思います。


そしてトランプ氏の「アメリカ・ファースト」というスローガン。

一見耳障りも良く、国民第一!という正当性を持った言葉に聞こえますが、上記のトランプ氏の発言や行動から考えると、私個人としては少し乱暴な言葉にも思えてしまいます。

国民の誇りと安全が守られることは大切なことでありますが、環境面で(パリ協定等で)世界との連携を取らないというのは、アメリカも主要排出国なだけに、"アメリカさえよければ”という無責任な部分を感じてしまうのです。

日本でも有名なスース博士の「アメリカ・ファースト」の挿絵


パリ協定のことに関すると、トランプ氏が離脱宣言をした後に行われた世論調査では59%の人が離脱に反対という結果になりました。

またハワイ州では独自にパリ協定を遵守すると法案を通過させたり、各州で様々な動きもみられています。それは企業や自治体、投資家や教育機関にも広がりをみせ、「We are still in」“私たちはまだパリ協定に残っている”という1億2千万人のアメリカ人の代表組織の結成にまで至りました。


このように国内でもこれから様々な動きがありそうです。ひとりひとりの思いが、組織になり、国を変えていく。この動向を見守りたいと思います。

Higuma


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